紫陽花

 
突然口に柔らかい感触がした。
谷口の唇が俺に当たった。

とっさに身を引いて谷口から離れた。


「離れないでよ…」


「待てよ!おめーは瀬崎がいんだろ!」


「正樹の好きにしていいから…お願い…」


『谷口はダチの瀬崎の彼女…』

「だけど…」

「お願い…勇気には内緒にするから…」


俺の言葉を遮り谷口は言った。


結局俺は谷口とやった…
谷口は初めてだった。

ダチを裏切った…