「…あたしのこと、知りたいんでしょ?…付き合ってあげてもいいよ?」 「うん…付き合って…」 佐倉はそう言って、あたしのおでこにそっとキスをした。 桜がひらひらと舞い降りている。 あたしはそんな中を佐倉と手を繋ぎながら歩いた。 初めての彼氏は、つかみどころのない秘密がたくさんある皆の人気者。 あたしはまだ、佐倉の秘密を何も分かっていなかった。