Fortune Presenter

「ちゃんと見てあげて。」



看護師さんは
私の肩をしっかりと抱いてくれた。

夢じゃなかった。

お母さんは死んじゃったんだ。



「お母さんね、このお守りだけはずっと手放さなかったのよ。」



そう言うと、手の部分だけ私に見せてくれた。

しっかりと握られているのは
私が今年のお正月に
母に買ったお守りだった。

私と別れてから
会社に着くまでの10分間
ずっと握り締めてるのよ、と言って笑った母を思い出す。

私は
母の手にそっと手を重ね


「っう…お母さっ…んっ…!!!!」



その場に泣き崩れた。

私が泣いている間も
ずっと看護師さんは傍に居てくれて

だからか
私は心行くまで
声を上げ泣いた。