その時だった。 右手が強く握られた。 その腕は優の手と繋がっている。 「先生っ!!まだ、まだ優は生きてます。ほら、手を握ってくる」 「……死後硬直です」 冷たく言いはなつ。 「…………生きてますよ…」 優は生きてる。 生きてるの…。 死んでなんかないよ… 医者は私とお母さんに深く深く頭を下げて、病室を出ていった。 二人のすすり泣く声がいつまでも響いた。