夏の終わりに

「私にはあるの」

「約束が違うね」

「約束なんてしていないわ。
あなたが勝手にそう思っているだけよ」

「きみの夏休みは、
まだまだ続くのかもしれないが、
僕のほうは終わったんだよ。

きみはもののわかった
大人の女性だと信じていたがね。
僕の思い違いかな」

「いいえ、そんなことないわ。
もののわかった大人の女のつもりよ。
だから提案があるの」

「提案?
だめだ。
あのことは終わったんだ」