夏の終わりに

二週間が瞬く間に過ぎ去った。

ぱっくりと切れた見えない傷口から、
血がどくどくと流れ出ていくのが感じられた。


クミはダイヤルを回した。

「今どこ?」
と園田が訊いてきた。

「大学よ」

「じゃ、こちらから掛けなおすよ。
会議中なんだ」

「だめよ。
掛けなおすつもりもないくせに」

「わかっているなら率直に言うよ。
話すことはもう何もない」