ピアスがなくなったことにようやく気付いた私は耳をさりげなく触り、その確かめをした。
本当に、ない。

「彼氏かぁ?」女子生徒がニヤついた顔で私に問う。
『違うわよ。さ、授業に戻ろうか?』
いつもの笑顔を彼女たちに振りまくと、納得したようにすごすごと去っていった。