車のライトが廃墟の前に立つ人を照らす。
彼だった。
あの日あげた缶コーヒーのシリーズのブラックを二本、小脇に抱えている。
「ちゃんと来たんだ。」
『当たり前でしょ。犯人、気になるわよ。あんな書き方されちゃ…。』
「そう…。中に行こうよ。この二週間で分かったことがあるんだ。」
『ええ』
二人分の足音が廃墟に響く。
私はまだ知らなかった。
二人分ではなかったことを…。
彼だった。
あの日あげた缶コーヒーのシリーズのブラックを二本、小脇に抱えている。
「ちゃんと来たんだ。」
『当たり前でしょ。犯人、気になるわよ。あんな書き方されちゃ…。』
「そう…。中に行こうよ。この二週間で分かったことがあるんだ。」
『ええ』
二人分の足音が廃墟に響く。
私はまだ知らなかった。
二人分ではなかったことを…。


