【ホラー】秘密



「うわっ。なにこの異臭」
彼の第一声とともに、私の五感に、たしかにこの廃墟で殺人が行われたという実感が押し寄せてきた。
『人間も腐ると終わりね。』
血が点々とついた床の上を歩き進めるにつれて、その臭いはキツイものとなっていく。
「あれ…?」
先に歩いていた彼が立ち止まったのは、写真の部屋だろう。似つかわしい机が視野に入った。
「この部屋…。」
そういうと彼は写真と部屋を見比べて指差し確認をしはじめた。
『そっくりね』