「はぁ・・・もう、むりだよぉ・・」
愛華は疲れきった足を止めた。
そして、ズット追っていた拓が愛華の背中をタッチした。
「イエーぼくのかちー」
無邪気に愛華の周りを走り始めた。
「たく、よくそんなたいりょくあるねー」
「まーね」
自慢げに言う拓は少し照れていた。
「じゃあ、もどろー」
愛華は走ってきた道を戻ろうとした。
しかし・・・・
「あれ・・・ここどこ・・・・」
2人は一気に青ざめました。
走っている間に公園を抜け出してしまい知らない場所に来てしまったようです。
「どーする・・??」
「さぁ・・??」
とにかく座ろうという事になり、愛華たちは夕焼けが綺麗な水辺に座った。
その日の夕焼けはいつも見ている夕焼けより綺麗に見えたのはなぜだろうか。
「もし、かえれなくなったらどうしよう・・」
愛華が不安げに言うと拓は愛華の手を握り締め、強い顔で言った。
「だいじょうぶ、ぜったいかえれる。」
保証なんて、まったくないのに拓の強い顔に愛華は安心しました。
ー拓と居れば怖くないーそう思ったんだ。
愛華たちは固く手を握ったまま夕焼けを見つめた。
”キット助けが来る”そう信じて。


「ぼくは・・・」
突然拓が声を挙げた。
「なに?」
愛華が不思議そうに見つめた。
「ボクは、いっしょうあいかをあいしつづけることをちかいまーす」
拓は決心したように言った。
このときから愛華たちは両思いだったんだよね。
「あいかもちかうー」
愛華も続いていった。
それを聞いた拓は、ポケットの中から小さなオルゴールを出した。
まるで、用意してあったかのように。
「じゃあ、このオルゴールがちかいのしるしね~あと・・・」


チュッ

不意に拓に唇を奪われた。
「ちかいのキスー」
テレながら笑いあった。
「えへへ、やくそくだよ?」
「うん!!やくそく~」
コレが、愛華達が約束した日だった。
忘れもしないあの夕焼け。