1日1日、つらかったあの日々楽しかったあの日々どんどん過去になっていく。
思い出になっていく。
記憶が薄れていく。
これ以上時間が進まなければ良い、そう思う。
だけど、時間は進み続ける。
アタシの気持ちとは裏腹に・・・・・・・


「はぁ・・・」
新しい制服を気ながら愛華はため息をついた。
膝より下の長い長いスカートに腹が立った。
ブレザーではなく、制服。
やっぱ、ブレザーが良いよなぁ・・・そうぼやいた。
「愛華、ご飯食べよー」
1階から奈々の声がした。
「うん、今行くー」
愛華は制服の最終チェックをして1階に向かった。
階段を下りてきているときからでもお味噌汁と玉子焼きのニオイがした。
今日の朝ごはんはご飯とお味噌汁と玉子焼きなんだと思いつつリビングの扉を開けた。
リビングにはセーラー服の似合うさらさらのロングヘアーの奈々がテーブルに座っていた。
愛華は、奈々の隣の椅子に座った。
「いただきます。」
愛華は玉子焼きを最初に食べて、やっぱりお母さんが作った玉子焼きは美味しいなと思った。
「あんた達、今日からスタートだよ!!頑張ってきなさい!!」
キッチンにいたお母さんが愛華と奈々に向かって言った。
「へーい。」「わかってるってば。」
お母さんはいつもスタートが肝心って言う、今ではもう口癖になりつつある。
ふと時計を見るとそろそろ出て行かなくてはいけない時間だった。
少し急ぎながらご飯をたべた。
愛華より先に食べていた奈々は早く食べ終わった。
「愛華早くね。」
奈々はそう言って立った。
あと一口となったご飯を食べて、お茶を口に含んだ。
そして、鞄を持ち奈々と一緒に家を出た。