でも、由希には分ってたんだよ、きっと。
泣いていたのを。
由希は、「そっか」っと言ったきりで他は何にも聞かなかった。
由希はきっと気になってたんだ、泣いてた理由を。
でも、優しいから由希は理由を聞かなかった。
人にも触れて欲しくないことなんだろうと察知して。



「えぇー、ここは法隆寺ですー」
バスガイドさんが大きなお寺”法隆寺”を指して言った。
とってもでっかいもんだなぁ、と愛華は思いつつ法隆寺を見た。
にしても、奈良って空気美味しいや、そう実感した。
「愛華ー」
ドコからか、名前を呼ばれた。
呼ばれた方を見ると、懐かしい人が立っていた。
あれは・・・・拓・・・??
それとも、侑・・・・・??
「えっと・・・・・」
愛華が口をゴモゴモしていると、拓か侑か分らない人が言った。
「オレは、侑!」
どうやら侑だったようだ。
「あぁ、ゴメン~」
最近、愛華は拓と侑の見分けがつかなくなっていた。
いつのまにか。
小さいころは普通に見分けていたのだが・・・・・
大きくなるにつれて見分けれなくなっていった。
「別に良いけどさっ。てか、でかいよな。法隆寺って~」
「うん~でかい。」
2人は法隆寺を見つめた。
「一緒に回るかぁ~」
「そーだねー」
そして、2人で一緒に法隆寺を回った。
その後の色々なところも・・・・・