ー修学旅行1日目ー
「忘れ物は無いかぁー」
「イエッサー」
何か愛華と奈々の部屋から変な掛け声（？）が聞こえてくる。
「準備ばいいかぁー」
「イエッサー」
「「では、出発!!!」」
はりきりながら、2人は家を出た。
学校までの道のりは、長くないはずなのに長く感じた。
「学校まだ!!??」
「もう少しだ!!」
心臓がバクバクして、張り裂けそうだ。
だれか、助けて･･･（壊れた）



「あ、愛華おはよー」
「おはよー由希。」
由希とは、愛華の大親友だ。
「楽しみだねー」
由希はニコニコしながら言った。
「だねーもう、死ぬほど楽しみ!!昨日なんて、全然寝れなかったよー?」
「うそだー寝ただろー」
「うん、いつの間にか寝てた。」
アハハハ～
バスの中ではバスレクをやってた。
でも、愛華はみんながバスレクで盛り上がっている中で一人窓から見える景色をずっと見つめていた。


なんだかすごくさびしかった。
なぜだろう。


小さい子ども達4人が愛華たちが乗っているバスを笑いながら追いかけてきていた。
きっと、愛華はその4人の子ども達を自分達と重ねて見てしまってたのです。
懐かしいあの日々、もうけして戻らないあの日々。
そう考えるとふと涙が出てきた。
ぐすっ・・・・・
ぽろぽろと涙は出続けるんだ。
・・・・泣くな、泣くな・・・・・・
「愛華?」
隣に座っていた由希が愛華の名前を呼んだ。
さっきからずっと窓を眺めたままで時々涙を拭う仕草をしていたから心配になったから。
「どうかした?愛華?」
「ん、どうもしてないよ。」
愛華は涙を拭い由希に笑顔を見せた。