君の虚実に恋してる



「わたし、真由さんに確認する!」

「うおっ?」

「だって勘違いだったら、わたしが惨めだし。かっつ先輩なんて信じられないし!」

「…おー。それでこそエノだ!頑張れ!事後報告待ってるぜ」

「え。手伝ってよ」

「却下」


にっこりと笑うひろゆち。
昔は可愛いなあと思ったけど慣れた今、イライラすることもあると知った。
こいつはほんっとーにイイ性格だ。
ああ、こめかみピクピクする。


「わかった。わーったからその拳をしまえ。しまってください、お願いします」

「よろしい」


こうしてひろゆちはわたしとその名も『真由さん、浮気なんて嘘だよね~青いだけの僕を許して~』作戦決行することになった。




この作戦は放課後に決行になってしまった。
ひろゆちのバイトの都合だ。
まだ勇気がないというか、真実を知るのがこわいというか…。