君の虚実に恋してる




「ちょっ。ちょっちょっちょっ」

「いえーい!ちょっ☆」

「ちょっ☆じゃねえよゆきおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「ユキオって言うな!」


長年のひろゆちというあだ名のせいで名前をひろゆきに勘違いされがちだがこいつ(こいつで結構)の本名は重広雪生(しげひろゆきお)。
真ん中をとって広雪→ひろゆき→ひろゆちとなった。
雪生という名前が嫌いなひろゆちに幼なじみがつけたそうな。
ナイスなのか何なのかしっくりしすぎて本名で呼ぶ人がいないという現状。




ま、それはいいとして。




「何言ってんじゃー!!」

「いいじゃん。同情して優しくしてもらえば」

「同情でなんかいらないよ!もう~ひろゆちの馬鹿」

「気にかけてもらえるだけいいじゃん」

「それ…は」

「どうせ部長もてんやわんやしてるだろうけど」

「それって」

「真由さんのこと。俺も聞いたから」

「そうなんだ…本当だと思う?」

「…俺、地味に憧れてたんだよなあ」

「本当じゃないといいね…」

「全く」




同情してもらえるだけいい…か。
部長もどうしようもない今、そうして貰えるのを心のどこかで望んでるの?


心の傷を舐め合う…?



そんなの。



駄目だよ。