君の虚実に恋してる



「もしかしたらかっつさんはエノに本気かも、だ」


ぴーんと立てた人差し指を折ってやりたくなった。
非現実的なのはどっちだ。


「ないない」


「そしたら~つじつま合うじゃん」


「合わない!あの事件無理!軽い男無理!」


「あら~」


ひろゆちは本当に楽しそうに笑った。
ああ、イライラする~!

こいつ、わたしの心配しろよ…。
一応君の友人は操を…は言い過ぎだけどファーストキスを奪われたんだぞ。
にこにこしてる場合じゃないの!


でも、ひろゆちの言ってることが合ってたら…?




ま。
それは天地がひっくり返ってもありえないな。
大体好きだったら嫌いなんて二回も言わない!!
あれは傷つく。
しかもあんなチャラ男に言われたなんて切なすぎる…!


でも。いや。
ああもう何も信じられない!