君の虚実に恋してる



「ごめん、泣いてるところ引き止めて」


「そんなの全然平気です。もう立ち直りましたし」


「本当に、何もされなかったの?」


「…はい!もちろん!」




本当は気付いて欲しい。
慰めて欲しい。
出来るならその腕で抱きしめて「大丈夫だよ」って言って欲しい。

なんて、




「それじゃあ」


「はい。お疲れさまでした」


「エノキも。おやすみ」




公園で別れてわたし達は帰った。



その夜は苦しくて泣いてしまうだろうと思ったのに疲れすぎていたのかぐっすりと眠ってしまった。