君の虚実に恋してる



わたしも部長もちびちびとミルクティーを飲むしかすることがなかった。

話題なんて、今は泣き言しか出てこない。




「なあエノキ」


不意に、部長が喋り出す。


「かっつ、何なんだろう」


「…さあ」


かっつ先輩のことで一気に頭が割れる思いになる。

あんな人!いやだ!いやだよ…


裏切られた気持ちでいっぱいになる。




「エノキ、聞いてたんだろ?真由とかっつのくだりも」


小さく頷いた。



「真由、かっつのこと好きなのかなあ」




あ…。

部長の方がわたしよりつらいんだ。

わたしはキスのひとつふたつ如きでギャアギャア騒いでいたが、真由さんとかっつ先輩は…。


それなのに部長の前で泣くなんてわたしはどこまで自己中なんだろう。


だいたいわたしにキスするなんてかっつ先輩には何でもないことなのに、こんなに騒いで。


これじゃ、思うつぼだろう。



恥ずかしさで、目が眩んだ。