365回の軌跡

おばあちゃんが亡くなった後、おじいちゃんは独りなった。
私達は変わらず、週末になるべく行く様にしていたが、おばあちゃんが亡くなってからおじいちゃんも元気を無くしていた。そしてある日、私におじいちゃんは言った。「早くお迎えが来てほしい」と。
おじいちゃんはその半年後、病院で息を引き取った。膀胱癌だった。
おじいちゃんが亡くなる前に見せた、あの顔を今でも覚えている。悲しみや切なさとかではない、本当に生きがいを無くしてしまった、姿。私は亡くなった二人の墓前に手を合わせながら、決心した。おばあちゃんを世話してくれたあのヘルパーさんみたいになる。そしてもし、おじいちゃんみたいに生きがいを無くしてしまっているお年寄りがいたら、私がそのお年寄りの生きがいになってみせる。
私はそう思って、迷わず介護の仕事を決めた。