彼女に初めて会った時…俺は一目で恋におちた。

そんな俺は、彼女が少し笑うたびに、一喜一憂していたんだ。

一つ屋根の下で兄弟同然の様に俺と彼女は生活をし、毎日を平和に暮らしていた。

彼女にとっての特別な存在になりたくて、彼女をどんな障害からも守る事を俺は心に決めていたんだ…。

そんな彼女を…サヨを俺は……

守る事が出来なかった。









「この駅の電車を乗り継いで行けば、ヒサジの地元まで行けるぜ。」

「解ったよ…ここまでありがとう銀次さん。」

不良の聖地ジャッジタウン。

この日本でゆいつ暴力が正当化される場所。そんな町を出発し、自分の町に帰ろうとしている青年がいた。

名前はヒサジ。

年齢はまだ15歳で、まだ中学生の彼だが、高い身長や大人びた性格から年相応には見えない雰囲気を持っている。

生まれつきの天性か、ケンカの実力はかなりのもので、ジャッジタウンでは、一人で10数人の不良を相手に血祭りにあげた実績から『鬼神ヒサジ』と呼ばれ、恐れられている。