(ガラガラー)



保健室に5つあるベッドの中で一番窓際のベッドの横に木ノ下の鞄が見えた。



木ノ下を起こさないようにそおーっとぼくは山田を一番廊下側のベッドに寝かせようと、山田をおぶっていた。



ふと木ノ下の方によそ見をした瞬間、

(ドテッ)

ぼくは山田をおぶったまま転んでしまった。


近くに濡れたぞうきんが散らばっていた


「安田君っ!」


その時ほど自分がダサいと思ったことはない。


ぼくの顔は真っ赤になっていた。


「大丈夫!?あたしも手伝うね」

「あっ…ゴ、ゴメン」


ぼくは木ノ下とふたりで山田をベッドへ寝かせた



ぼくたちはそのへんのソファーに座って話しはじめた



「なんで木ノ下はここにいんの?」


「ちょっと今日体調が悪くって…」


「大丈夫なん?」


「もうだいぶ休んだから平気だよ♪」


こんなたわいもない話が続いた。


「2年間一緒だったのにこんなに話したの初めてだね」


「そうだね、まぁこれからもよろしく」


「うん♪」




これがオレとさゆりが仲良くなったきっかけだった…