お父さん―。 お父さんが外国に行ったのは、私がまだ10歳のころ、仕事の関係上、世界を飛び回らなくてはならないため、私はお父さんと遊んだ記憶もなければまともに話した記憶もない。 寂しくないと言ったら嘘になってしまうけど。 正直、父親というのがどういう存在なのかが私にはわからない。 きっとお父さんのことを父親と思ったことは1度もなかった気がする、小さい頃から、ひとりの大人、として接してきたからだと思っていた。