…―用意は出来たの?―…


そう言ったのは、風のピューマだった。


「ああ。」


そして、パンパスはその問いに短く答えた。





まだ見たことのない未知の世界、



世界を救う為、父の旅立ったその世界、



世界を渦巻く風は荒々しく、



今、その風は嵐となり世界をも飲み込もうとしている―。



その漠然とした感覚が、然程多くないパンパスの口数をより減らしていた。





…―パンパス、僕も付いて行くよ―…


ピューマは不意にそう言うのだった。


「……!?」


…―パンパスはちょっと頼りないし、外の世界の風は扱いにくいからね―…


不意の言葉に動じるパンパスを後目に、ピューマはそう言うのだった。


「…お前が来て、どうするって言うんだ?」


冷静さを取り戻したパンパスは、ピューマにそう聞いた。


…―んー。取り敢えずパンパスが慣れるまで、僕が風を宥めてあげるよ―…


「そ、そうか…。」


外の風が如何なるものか分からなかったが、パンパスは取り敢えずピューマの同行を承諾するのだった。