風のピューマが示した風の法、風の矢、それをパンパスは試してみるのだった。


パンパスは、まず、両の腕をしならせ風を集めると、それを収縮させ、矢を型どっていくのだった。


そして、収縮されたその風はと言うと、放たれる前から既に高音をあげ、激しい風切り音をあげていた。


風の矢を作り出したパンパスは、続いて、その矢を腰に結わえた弓に合わせて放つのだった。


草原に向けて放たれたその矢は、一見普通の矢とは違いのないようにパンパスの目には映った。


しかし、次の瞬間、風の矢の軌道に沿って、空間が爆発した。


それは、決して火を上げた訳ではない。


しかし、矢の軌道を中心に、渦巻く風が草原を駆け抜け、大地をも削るその姿は、まさしく爆発と言えた。













…―…想像以上だよ。ここまで、高密度の風の矢を放てるなんて。…それを僕に放つのはちょっと止めてくれないかい?…僕も死にたくはないしさ―…


パンパスの秘めたる力の発揮に、風のピューマは臆していた。


才能はあると思っていたが、自分の簡易なアドバイスで、ここまで力を発揮するとは、風のピューマは思ってもいなかった。