…―へぇ…、案外上手いもんだね―…


風のピューマはパンパスの防風陣を見てそう言うのだった。


風読みの出来るようになったパンパスは、風を集め、それを形にすることが出来るようになっており、苦戦するかと思われていた風の盾造りは順調に行っていた。


しかし、その一方で、パンパスの造り出したその盾は、まだまだいびつなものであり、所々厚さもバラバラであった。


「これでいいのか…?」


パンパスは自分の造り出した防風陣に些か不安を抱き、風のピューマにそう聞くのだった。


…―まぁ、最初にしては上出来だと思うよ。慣れもあると思うしね。僕は君のことが好きだから、この際僕を捕まえるアドバイスをあげるよ―…


そして、そう言い、風のピューマは続けて言うのだった。


…―君が造り出した風の盾は言わば風の具現化。出来る物は風の盾だけじゃない。風は時に矛になり、君の好きな矢にもなり得る。風切り矢は風切り矢で良いんだけど…、詰まるところ風の矢による歪みの方が僕には効くんだよね―…