王国ファンタジア【草原の民】



パンパスの放った矢は風のピューマに迫った。


しかし、当たるか否かの所でいとも簡単に交わされてしまった。


…―外れたね…。よく狙ってごらん―…


風のピューマは楽しんでいた。


しかし、その一方でパンパスは真剣だった。


パンパスは、再び矢筒から矢を取り出すと、大きく弧を描き風を孕ませ矢を放つのだった。


パンパスは風使いが苦手だった。


しかし、無意識の内に風を孕み、先程より強力かつ迅速な矢を放つのだった。


矢の速さは尋常ではなかった。


そして、その矢は風を切り、極めて高音な音を発し、風のピューマへと飛んでいくのだった。














…―なかなかやるね―…


しかし、風のピューマはまたもやその矢を交わすのだった。


だが、その一方で、パンパスは大きな手掛かりを手に入れていた。


それは、先程の風切り矢、それが風のピューマへと風の歪みを与えているということだった。


交わしはしても、風を歪ます、その歪みは風のピューマの移動速度を僅かに落としていたのだ。