あの日々をもう一度。

「じゃ戻るわ。あんたもはやく帰るんやで。」


七瀬がドアに向かって歩き出した。


だが七瀬はドアの扉に手をかけたと同時に立ち止まった。


「・・・なに?」


七瀬が怪訝そうな顔をして聞いてきた。


俺は掴んだ七瀬の手をはなす。


「あ、いや、なんでもない。また明日な。」


俺は後ろに一歩下がって廊下に消えていく七瀬の背中を見つめる。


なんで俺は七瀬の手を掴んだのだろう・・・。


体が勝手に動いて気付いたら七瀬を引き止めていたんだ。


「はーぁ・・・・。」


俺はとりあえずカバンを手に取り玄関へと歩いて行った。