「鈴木っ!」 屋上のドアを勢いよく開けて、一瞬びくっとした鈴木に声をかける。 「…なるちゃん?どしたの?」 「あのね、あのっ… なんていうか…好き?」 その言葉は、自分でも驚くほど簡単に出てきた。 好き、と認めてしまえば前よりずっと楽だった。 目の前の鈴木は、当然のことながらあっけにとられて呆然としている。 「なるちゃん?」 「なに?」 「俺、同情とか、そういうの嫌い」