「そうかもなー」
笑いながら明るく答える龍斗は、やっぱりどこか寂しそうで。
寂しくないわけがないわけで。
「龍斗、強がらないで」
ついついこんな事を言ってしまう。
「寂しかったら寂しいって、辛かったら辛いって言いなよ…」
「…蜜姫のクセに生意気なんだよ」
龍斗はそう言うと、あたしの肩に顔を乗っけてきた。
「…寂しいとか、格好悪くて言えないっつーの」
「龍…」
「だから、お前が俺の寂しさとか消してよ」
そう言った彼の声は、すごく小さかった。
でもしっかりあたしの胸に届く。
「…うん、分かった。約束する。だから龍斗も約束して」
「…仕事やめるとか?」
「そう。普通のバイト、探してしようよ」
「ん、わかった。約束な」
そう言って顔を上げる。
「じゃー約束のちゅーしよ」
「なあっ…バカじゃな…」
ちゅっ―…
あたしの抵抗も聞かず、短いキスをされた。
