さっきみたいに触れるだけのキス。


さっきと同じはずなのに、唇から龍斗の熱が伝わってくる。



「んっ…苦しっ」


酸素を求めようと口を開く。


「ばーか。鼻で息すんだよ。口開けたら、こーなるよ?」


「んんっ…!?」


くすりと笑った龍斗の顔が急に近付いてきたと思ったら、舌が口に入ってきた。



「んっ…ちょ、無理…」


逃げれば逃げるほど深く絡み付く。



自分が自分じゃないような感覚に支配される。




「…はぁっ…りゅ、と…」


「…っ。反則だっつーの、その目」


「な、にが…?」


苦しくて生理的な涙で視界が滲む。


そんな目の何が反則なんだろ…?




「今日、ココ泊まらね?」


「…は?」


ちょっと話しがとびすぎなような…。


「大丈夫。手ぇ出さねーから」


「あ、当たり前でしょ!」


「俺の話、聞いてよ」


「話…?」


龍斗の話…。

聞いてあげれば、少しは自分を大切にしてくれるかな…?