「今、お前のせいで大事な客一人逃したんだよ」
「きゃ、く…?」
待ってよ、ホント。
客って何…?
「女抱いて金稼ぐの。それが俺の収入」
「……」
「そのおかげで月20万は最低でも稼げんだよなあ。今のやつ、結構気前良くて1万くらいは余計に…」
ぱちんっ―…
「最低だよ、龍斗!」
普通にそんなことを話す龍斗に本気で腹が立って、ビンタしてしまった。
「……」
「いくら未成年がお金稼げなくてもっ…自分を大切にしなきゃっ…」
ぽろぽろと涙がこぼれる。
「お前に何がわかんだよ…」
「何もわかんないよ!わからないけど…龍斗すごく寂しそうなんだもん」
「ふざけ…」
ぎゅっ―…
もう我慢できなかった。
龍斗を優しく抱きしめる。
それで力が抜けたのか、龍斗は完全にあたしにあたしに覆いかぶさった。
それでもあたしは抱きしめつづける。
