「ホント、やめてよ」
手を振り払おうとするけど、もちろん男の人には敵わない
。
「お、龍斗。今日2人目か?」
「…2時間」
「機嫌わりー。何時間でもどーぞ。どうせあの部屋はお前専用だからな」
「どーも」
受け付けらしき人に声をかけ、どんどん進んでいく。
もちろん、あたしの言葉なんか完全無視。
ガチャ―…
いつの間にか部屋のドアが開いていて。
いつの間にか部屋に入れられていて。
トサッ―…
いつの間にかベッドに押し倒されていた。
「3万」
「は…?」
「2時間3万」
「…何、言ってるの?」
龍斗の目はなんだか冷たくて。
そんな目であたしは今、見つめられてる。
こんな時にドキドキしちゃうあたしは、本当に救いようのないバカかもしれない。
