昨日、裕也さんが言ってた"今日の"という言葉は、こういう事だったんだ。
蜜姫ちゃんが今日の相手?
そういう意味で。
「…なんか、気が抜けちゃった」
へなへなっとその場に座り込んでしまう。
立つ気力もない。
勝手に疲れて、勝手に泣いて。
帰りたいけど動きたくない。
そんなかんじ。
そんな時だった。
「あれー?キミ、昨日のコだ」
「あ…」
昨日の男数人とまた出会ってしまった。
「今日は龍斗さん、いないんだ。もしかしてキミ、昨日の相手だったの?」
ニヤニヤ笑いながら喋る男に、昨日みたいな恐怖感は不思議と無かった。
「龍斗さんに抱かれたらみんな勘違いするんだよねー。あの人、一人ひとりを大事に抱くらしいから。義務行為でも」
嫌だ、聞きたくない…。
そう思うのに、体は動かない。
