そんなことを考えながら、ぼけーっと龍斗と女の人を見る。


「お待たせいたしました。チーズケーキとフルーツケーキになります」


ちょうどケーキがはこばれてきた時、龍斗がこっちを見た。


あたしと目が合う。




あたしはとっさに目をそらし、


「優美ちゃん、早く食べよっ」


たった今きたケーキを食べはじめた。



「っ!超おいしい、このチーズケーキ!」


「……」


「…蜜姫?」


「あ、なんでもない…。フルーツケーキもおいしいよ!はい、一口どーぞ」


「わー!ありがと!蜜姫もチーズケーキどうぞ」


「ん、おいしい!ありがとね」


チーズケーキの味よりも。
優美ちゃんとの会話よりも。



龍斗のことで頭がいっぱいだ。