「なんか変だと思ったんだよねー」
うんうんと首を縦に振りながら、優美ちゃんは言う。
「…なんかって?」
「いきなり神山くんの事聞くんだもん」
「…気になったからさ」
あんな夜遅くにあんな場所にいたから。
無免許運転してまであたしを家まで送ってくれたから。
ただ、ちょっと気になっただけ。
「ちょっと気になっただけ」
「ふーん?」
そりゃ誰だって、あたしの立場になれば気になるよね…?
うん、気になる…はず。
「やっぱり蜜姫、変なかんじ」
「…そお?」
「うん、変」
「そんなことないよ」
ちょっと気になるだけだもん。
何も変じゃないよね?
