「おい、蜜姫」


「…はい?」


「お前ん家、何町だ?」


「…え?」


な、何言ってるか全く聞こえない…。



「いーえ!」


「あ、家?家は北山町です」


「りょーかい」


夜の静かな街を、バイクが走る。


…このエンジン音は迷惑極まりないよね…。



赤信号ではちゃんと止まる。


「なあ」


「何ですか?」


「なんで敬語なわけ?」


「…え、」


「さっきまでタメ語だったろーが」


……いや、なんていいますか。
バイクが出てきたところあたりで、タメはやばいかな?と、頭が理解した。



「次使ったら、襲うぞ」


「ひぃっ!分かりました!!」


ってあたし!
分かりましたとか言ってるじゃん!



「お前、襲われたいんか?」


「い、いえ…。これからは気をつける…」


「ん。そろそろ信号変わるからつかまれ」