君に花を。

「こら、柚」

扉を開けて俺達を見下ろす兄貴。

なに、邪魔しとんねん!
今、返事聞けそうやったのに!

「柚」

「あ…間宮君」

「今日は泊まっていくだろう?」

「…うん」

柚の腕をつかんで、自分の部屋へと連れて行った。

マジ、アホや。

あんのバカ兄貴。許さん、絶対。

俺は部屋でひとり、兄貴をどうしようか考えた。

とりあえず、喧嘩で決めるしかないんかな。

頭じゃ、無理やし。うん、喧嘩や。

枕を扉に投げた。
さっきあそこに兄貴がいたと思うと腹立ってきた。

ボスッ。

「なに、しとんねん」

「うぉっ!!」

オカンがちょうど扉を開けたとき、枕がオカンの顔面にあたった。

やっべー!