君に花を。

「前の彼女と似てるから…やろ?」

「違う」

「柚と似てるやろ。顔も性格も花が好きってのも」

知ってるで。
前、大阪でバイトしてたとき会ったんやから。


『玲は元気?風邪、引いてない?』

『まぁ』

『…玲に言っといて。まだ好きやから。いつまでも待ってるって』


柚と似た優しい笑顔で言ったのを俺はまだ忘れられない。

「迎えに行かんのか」

「もう無理だ」

「柚を傷つけたら、マジで許さんからな」

兄貴のネクタイをつかんで、睨んだ。