大ちゃんが帰る頃には心愛はすやすやと大ちゃんのベッドで寝ていた
「心愛が寝てるほうが話しやすいか。」
そういいながら心愛はドカッと座った
「桜ー麦茶くれ!」
「うん。ちょっと待って」
桜は冷蔵庫から麦茶を取り出しグラスに注ぎ大ちゃんに渡した
「サンキュー。」
大ちゃんはグラスを手に取りコップに入っている麦茶を全部飲み干した
「っあー!んで、愛が話したいのは祐樹のことか?」
「うん…」
あたしは顔を上げることが出来なくて床を見つめた
「愛、ちゃんと顔上げろ。お前が思ってる事全部はきだせ」
大ちゃんはポンポンとあたしの頭を2回叩いた
あたしの目頭がいっきに熱くなった
あたしは涙を流さないために顔を上にあげた
「あたしね拓海が死んでから5年もたつけどまだ拓海のことは好きなの」
大ちゃんと桜は黙ってあたしの目を見つめた
「もう恋なんてしない、一生拓海だけを思う。って何度も思った。」
あたしの目からは自然に涙がでてきた
あたしの目からはどれだけ涙が出るのだろうか。
きっと永遠に枯れることのないだろう
あたしは拓海を思い続ける限り一生涙が出てくるのだと思う


