受験も終わり、春休みに入った。

楽しかった中学校生活も終わりを迎えて、ただ受験の合否を待つばかりとなった。

その間、友達と遊んだり、家でゴロゴロしたり。

そんなある日、直子からメールが来た。

「急だけど、今からうちに来ない?」

その日一日ゴロゴロしていた私は直子の家に行く事にした。

直子の家までは自転車で30分くらいかかる。
閑静な住宅街の真ん中に直子の家がある。
前は直子の家の横に自転車屋さんがあり、そこのおばあちゃんが出してくれるお菓子目当てによく行ったものだ。

おばあちゃん元気かなぁ。
そんな事を考えているうちに直子の家に到着した。

ピンポーン
「直子来たよー!」

「はーい!!」

直子はニコニコしながら私を迎えてくれた。

直子の部屋で私達は、小学生の時の思い出話で盛り上がったりしていた。
すると突然直子が思いついたように切り出した。

「受験の時に言ってた私の好きな人見たい?」
直子はニタニタしていた。
「見たい!見たい!」

すると、直子は机の引き出しから写真を一枚出した。
「はい。右から三番目の人だよ!」
そう言って写真を指さした。
「ぷっ!!」
私はその写真を見て吹き出してしまった。

直子は不思議そうな目で私を見た。

「なに?かっこいいと思うんだけどなぁ。。」

「違う。違う(笑)顔はかっこいいと思うけど(笑)。
だってこの写真、バドミントンの試合の時の写真でしょ?なんでこの人天使の羽なんか付けてるの?(笑)すごいユニークな人だね(笑)」
「、、、、」

直子はキョトンとしていた。そしてまた私を不思議そうに見た。

「直子、どうしたの?」

「ねぇ、この人だよ?」
直子は、写真を指差した。
「うん。この人でしょ?羽背中に付けてる人。」

また直子は不思議そうに私を見た。

「別に何もつけてないけど。。」

「何言ってんの?付いてるじゃん(笑)」

「優美、あんたよっぽど疲れてるんだね。。」

そう言うと、直子は私の肩をポンと叩いいて、写真をまた引き出しに戻した。

「直子、羽付けてるの見えないの?」