「よし、出発するぞー!!」

小田先生の掛け声と同時に皆バスに乗り込んだ。

直子は、これはチャンスとばかりに遠藤春の隣を陣取った。

私はしょうがなく、赤井くんの隣に座った。

直子、全然話せてないじゃん。

直子は、遠藤春の隣でソワソワしているだけだった。
そんな直子を見ていると、隣の赤井くんが話し掛けてきた。

「ねぇ、夜に2人で話しない??」

「うん」
私は、直子の事が気になって、あまり話を聞いていなかった。

「大丈夫だよね?」

「うんうん。」

あれ??私、何の返事したんだっけ?あんまり、聞いてなかった。ま、いっか。

横を見ると赤井くんがニコニコしていた。

それより直子。あんたしっかりしなさいよ!!

結局直子はバスが目的地に着くまで、一言も話していなかった。

バスから降りてきた直子はドヨーンとしていた。

「一言も会話してなかったじゃん。」
私は直子をつついた。

「いざとなったら緊張して話し掛けれなかった。」
直子はため息をついた。