「ねぇ、一度ちゃんと聞きたいんだけど。」

「なんだよ。」

「天使だよね??」

遠藤春は急ブレーキをかけた。

「お前がなんで俺の羽が見えてるのかはわからないけど、、。まぁ、そういいことだよ。」

「やっぱり天使なんだ。。」
「三年経ったら、どうなるの??」

「おまえ、質問ばっかりだな。」

「当たり前でしよ。天使に初めて会ったんだから。」
「おまえ、おもしろいやつだな(笑)さっきまで泣いてたのに。(笑)」

「切り替えが早いの(笑)っていうか、笑った顔初めて見た(笑)」

「うるさい。」

そう言うと、遠藤春は家まで送ってくれた。

「じゃ。」

「あ、ありがとう!」

私は遠藤春の背中が見えなくなるまで見ていた。

「口は悪いけど、やっぱり天使なんだね。」

ケガはしたけど、なんだか今日はいい日になったような気がした。

「ただいまぁ。」

「お帰りー。。何!?どうしたの!?」

私の膝の包帯を見て、お母さんは驚いていた。

「ちょっとね。転んじゃって。」
私は少し嘘をついた。

「ケガして自転車おいてきたから、明日送ってね。」
「別にいいけど、今日は歩いて帰ってきたの?」

「い、いやー。二人乗りで帰ってきたの。」

「ちょっとー。危ないわね。で、誰と??」

この前の電話を聞いてから、遠藤春の話をすることはなかった。

もし、名前を言ったらどんな反応するんだろう。。

「同じクラスの遠藤春くんに送ってもらった。。」

「え?」
お母さんの顔が険しくなった。

「何か問題あるの?」
私はおそるおそる聞いた。
「そ、それは問題でしょ(笑)だって、直子ちゃんの好きな人でしょう?知ったら悲しむんじゃない?」

「うん。気を付ける。。」

やっぱり、お母さんの態度は変だ。
直子の事だけじゃない。きっと他にも理由がある。直感でそう思った。