「そんなに気を落とすな。初日であれだけ動ければ合格だ」

教官は俺を励ましてくれてるつもりなんだろうけど。
またもや女に負けてしまった。

「まだまだ俺が未熟なんです。もっと強くなりたい」

「その言葉──忘れるなよ」

そう言って教官は俺の左肩をポンっと叩くと行ってしまった。
実戦研修終了と共に本日の研修も終了した。
俺は自分の『ダーク』の前でぼーっと佇んでいた。

「お疲れさま」

「……ソニア」

俺だけしかいないと思っていたのだが、彼女もまだ居たらしい。

「ニールに謝らなきゃって思って」

「謝る?」

「昨日のこと、ごめんなさい。私……誤解していたみたい」

あ、あれ……ね。

「いいよ、別に。甘く見てたのは事実だし。トライアウト受けたのだってなんとなくだったしな。ソニアの言うようにここに居るべきじゃないのかもな」

「そんなことないわ!さっきの闘いで分かったの……勝ちにこだわる執念、あなたはここに必要な人間よ」

彼女は強く主張してくれた。それが俺には嬉しくて……。

「ありがとう。やっとお前と上手くやって行けそうな気がするよ」

「……うん」

その笑顔に俺はなんだかホッとしていた。