どんなヤツなんだろう……。

『キサラギ』に入りたいと思うなんて。
果たして、自分の意志なのだろうか?
それとも──、



「やっべ~!遅刻だぜ」

昨日の合格発表により、今日から俺は『キサラギ』へ出勤しなければならない。

いろんなことを考えすぎて寝れなかったせいか、集合時間に起きてしまい慌てて家を飛び出してきた。

只今の時刻──、

九時半。

初日からこんなマネケなことをしてしまうなんて、俺くらいだろうなぁ。


その予想は見事に的中したワケで……、

「ニール=ブランク、ニールは居ないのか?」

「……」
お互いを知らない者同士が集まっているんだから、当然の反応である。

「初日から遅刻とはいい度胸だな。まだ若干一名来ていないが、以上十名が新メンバーである。因みに俺はお前達新人の教育責任者『ハリス=ダクール』だ。よろしく頼む」

「「はいっっ!!」」

「早速であるが、これから皆に一人ずつくじを引いてもらう。パートナーを決めるためにな」


――それから約三十分後。


「すみません」

「いいか、今日は大目に見てやる。しかし次は無いと思えよ!もし今度、遅刻するようなことがあれば……楽しい楽しい地獄の特訓をお前に味遭わせてやる。フフフ」

「はい……」
クールに怖いなこの教官。

「最も、明日からは『キサラギ』の特別寮に入ってもらうから、その心配はないとは思うがな」

「寮ですか?」
そっか、寮なんてあったんだな。
まさか自分が入れるなんて思ってなかったから興味もなかったぜ。

「そうだ、部屋は二人で一部屋。さっきお前がいない時に、くじ引きでそのパートナーを決めておいた」

遅刻してきたわけだから誰と一緒になっても文句は言えねぇよな。

「……で、俺のパートナーってのは?」

「『ソニア=グレイス』だ」

くじ運が悪いと言うべきかいいと言うべきか、
はたまたこれも『運命』呼ぶべきなのか……。

つーか、そもそも男と女が同じ部屋ってのはどうなんだ?