そして──『運命の日』。
……なんて、大袈裟かもしれないけど。
トライアウトの結果発表日。


「どれどれ」

掲示板に張り出されている白い紙は、その存在感を全く感じなかった。
もっとデカデカと発表されるものかと思っていたので、裏切られような気になってしまう。

「えっと……」

なっ、なんと!

「あった!俺の名前!!」

確かにある……夢じゃない!
しかも第二位!?
一位は……、

「ソニア=グレイス?一体どんなヤツなんだ?」

俺よりも成績がいいと言うだけで自然と興味は湧く。
もちろん、変な意味じゃなくてぇ~面(ツラ)だけは確認しておきたいなと。ただそれだけだ。


「おめでとう。今日から一緒だな」

ディラも俺の結果が気になっていたらしい。

「ああ……」

「そーいや、さっき聞いたんだけどさ。一位のソニアって女らしいぞ」

──女!?

「あの時ディラが見たって言う?」

「……多分な」

俺は女に負けたってことか。

トライアウトに合格したと言う自尊心は、あっという間に打ち砕かれたのだった──。