少しずつだが俺とソニアの距離が縮まっているように感じていた頃。


「今日からお前たちも実践に出てみるか」

教官の言うお前たちと言うのが、俺と……、

「是非お願いします!」

ソニアだった。

「……お前はどうする?ニール」

そう言われて断ることは百パーセントできるわけもなく、

「お願いします」

嫌々ではなかったが俺の心は少し迷っていた。



「後悔してる?」

俺は彼女に見透かされているよう気がして、

「……何を?」

誤魔化すため知らないふりをした。

「実践に出るって言ったこと」

「ばーか。そんなわけないだろ」

自分の中で精一杯の強がりが、逆に迷いを断ち切ろうとしているのが分かった。

怖くなんてない──。

ただ、

『何か』を失うことが怖かった。