『俺が奈子の気を引きたくて、
いっつも女の子と遊んでたの知ってた?』
『奈子にアキラっていう彼氏が出来たときからなんだよ?
俺が女の子とつるむようになったのって』
『アキラの隣で嬉しそうに笑う奈子を見て、
俺がどんな思いしてたか、なんて…
奈子は知らないでしょ?』
そう言うたびに、千秋は私の存在を確かめるかのように
強く強く抱きしめる。
『俺がずっと奈子の隣にいるんだって、
そう思ってた。ずっとずっと。
部屋に遊びに来たときだって、奈子を見るたびに奈子を抱きしめたい衝動にかられた』
切なそうな顔で私を見て、
私の目から零れ落ちる涙に
千秋はキスをした。
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