起きてしまったのか、千秋は目をこすりながら上半身を起こした。 『…奈子?』 もう一度私の名前を呼ぶ。 「うん、何? 今日はどうした?」 その刹那。 私の体は千秋の腕の中に収まる。 「…ち……あき?」 強く強く、まるで私の存在を確かめるように抱きしめる。 何で何も言わないの? 『……………っ』 .