それにしても…雪枝はなにが言いたいかと言うと、

●代々医者の家系で、ストレートで医大に受かり、独身で、赤いスポーツカーに乗り、都心のマンションに住む、孤独な雰囲気の大人の男って…
BL世界では大活躍のキャラクター設定なんだということだ。
去年雪枝の周りに、こんな男が現実に居たので笑ってしまった。

「あまりに結婚しないから、そろそろ周りにゲイだと疑われそう。」
って本人も言っていたのを思い出し、BLを読ませたらどんな顔するかしら、とBLを見ながら含み笑いをする。

こんなハレンチなものを読んでいる雪枝は、先日、婚約を済ませたばかりだった。
雪枝はBLやレディースコミックや青年漫画などの初めての性の世界にくらくらしながら、興味津々だ。
しかも嫁入り前の娘がBLを読み、昔のボーイフレンドをゲイだとしたらと妄想している。
さすがB型女子である。
雪枝は更に考える。

「育ちが良いお坊ちゃんの、素直で真っ直ぐで男らしくていつも一生懸命な、プロレスラーみたいなわたしの彼氏は…BL的に言うと…受けね。」
と、一人、婚約者までで妄想に巻き込んでニヤニヤしている。
腐女子まで一歩手前だ。