先輩の香りと花の香りに包まれて、胸のドキドキがより一層高まっていく。


「翠央、俺は…もう毎日のようにこの部屋には来れねぇけど…勝手に使っていいからな。翠央が卒業するまで…この部屋は翠央の部屋だから。ただし、俺以外の男は絶対入れるなよ?」


「そっ…そんなことしないです…。」


ブンブンと大げさなくらい首を横に振った。


「あと……絶対に他の男に心許すなよ?」


ギュッと強く抱きしめられて、苦しさのあまり腕の中でもがいた。



「わ…私が許せるのは匠先輩だけですから、だっ…大丈夫です……」


力を緩めて欲しいけれど、ますます強く抱きしめられる。


「…無防備すぎて、気付いたら襲われてた…なんて最悪の事態だけは、ごめんだからな。」


それは……
いくらなんでも、ないと思います……。